2019年の日本国際賞で受賞したCO2削減法とは
温暖化対策でのCO2削減、長岡CCSや熊本CCS、大規模な苫小牧CCSなど実証実験が進んでいるようですが、2020年には実用化を目指しています。
2019年の日本国際賞で受賞したラタン・ラル特別栄誉教授のCO2削減対策は「不耕起栽培法」という自然の摂理に基づいたCO2の削減方法だ。
日本国際賞の存在も知らなかったし「耕さない農業」がCO2削減に繋がることも初めて知った。
この土壌を耕さない農法のメリットとしては
・ 土壌の質が肥沃される
・ 大気中の二酸化炭素を減少させる
・ 持続可能な開発目標にも大きな影響がある
CO2を地中深く圧入するCCS技術と違い不耕起栽培法による炭素固定は自然のプロセスを使います。
地中深く、ある意味、強引に圧入を繰り返すCCS技術は地盤の選定が必要不可欠だと聞く。
つまり脆弱性のある土地や地震多発地帯では不向きの技術のようなのだが、相変わらず圧入は繰り返されているようです。
では不耕起栽培法ではどのようなプロセスを利用するのでしょう
植物や作物の生育にともないCO2から炭水化物を作ります。
植物は当然枯れます
枯れた植物は土壌に残ります
微生物により腐食がおき炭素が取り込まれる
この状態は地中表面の30cm~50cmていどで起きる
なんだか理科の勉強のようですが腐葉土が作られる過程でCO2が固定されるようですね。
CCS技術のように地中に圧力をかけることもありません。
ただ問題なのは不耕起栽培法は「時間がかかる」という欠点もあります。
土壌の改善ですから膨大な時間がかかり安定した収穫を早くあげたい場合は従来の栽培法が良い
その他の不耕起栽培法のデメリットとしては
・ 農地を耕さないことで作物に病気が広がる可能性もある
・ 作物がうまく成育しない可能性もある
・ 日本の農家で不耕起栽培法を実践している農家が少ない
不耕起栽培法のメリット
・ 土壌が改善される
・ 養分過多による病害被害を抑えれる
・ 食物の根や茎が強く丈夫になる
・ 農作業の労力を減らすことができる
個人的には農地の多い北海道でCO2削減を目指すならCCS技術よりも不耕起栽培法が良いと思うのですが農家さんにしてみれば死活問題になるかも知れませんね。
自分の畑から害虫が発生すれば周りの農家さんからの苦情も出てくるだろうし
作物の収益も確保しにくくなるかも知れません。
ただ問題がCO2削減となると、このような自然の摂理にそった栽培法も国策でカバーして欲しい、というのが本音。
アメリカやイギリスでCCS技術を導入しない理由の一つして土地の選定が難しいこととプロジェクトに莫大な費用が必要になることがあげられています。
しかも地震多発国である日本においては誘発地震の懸念も指摘されているようです。
CCS技術はスバラシイ技術ですので日本でも比較的地盤の強い場所に限定し実用化し北海道など農地の多い地域においては自然なプロセスの不耕起栽培でCO2削減を目指してみてはいかがでしょう。